きもの 草々

着物着付け師、着物講師を目指して勉強中。着せつけ練習や着物でのお出掛けの記録。

他装* 美しい着付けを目指す(その1)裾

日中の気温が20度を超えるようになって、日差しも急に強くなってきました。

去年は首の後ろの日焼け止めを怠ってかなり黒くなって焦ったので、今年は面倒がらずに日焼け止めと日傘で今から対策をとろうと思います。

 

 

前回から引き続き、着る人が最大限美しくみえるように着付けることを考えていきます。

どの部分をどのように調整したらイメージが変えられるのかを自分の中で明確にするために、整理して書き出したいと思います。

 

着付けは下から上の順番で仕上げていくので、下から順に書き出していくことにします。

 

先ずは「裾」です。

裾の長さは一般的にフォーマルシーンの着物の場合は床スレスレにします。

カジュアルな遊び着であれば床から1〜2cmくらい上にします。

そして着物は「裾つぼまり」に着付けますが、

カジュアルな遊び着としての着物よりもフォーマルシーンの着物の方が裾つぼまり具合はより強めにします。

 

この2点については単純に、女性らしく上品にみえるためこのセオリーが定着してきたようです。

 

↓着物は小紋ですが礼装想定での練習記録です。

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右側の裾が床スレスレより上がってしまっています。

上手な方はほぼ真っ直ぐスレスレに着付けるんですよねぇ…。

 

一言にフォーマルな場所といっても、結婚披露宴、立食パーティ、卒入学式、など様々ありますが、基本的に礼装では大股で歩くような事は無いという前提で立ち姿の美しさを優先した着付けにします。

 

足元が覗かない方が品良く足のサイズも小さく見えますし、適度な裾つぼまりにした方が後ろ姿がすっきりほっそりと見えます。(裾がつぼまり過ぎるとお尻が大きく見えますが。)

 

一方、街歩きなど遊び着として着る場合は動きやすさを優先して長さ・つぼまり具合共にフォーマルより控えめにしますが、礼装ではないのでもし好みがあればにご希望に合わせて良い部分と思います。

私は普段着物でも裾は長めが好きなのでそうしています。

 

着物の「裾」は人に合わせて調整するというよりは "着用シーンに合わせて調整する部分" ということになります。

 

以前着付け師さんから聞いた話ですが、卒入学式のお着付けで、式場で草履からスリッパに履き変えないといけない学校の場合は、裾は床スレスレよりは少し短めに着付けるそうです。

ペタンコのスリッパだと裾が汚れてしまう危険があるためです。

 

学校によっては靴や草履のまま入れる事もあるかもしれないので、それは当日着付ける前までにご本人に確認をして、もしスリッパに履き替える場合は、それを考慮して少し短めに着付けた旨をお伝えした方が良いとの事でした。

 

どんな場所でどんな行動をとる予定なのかというところまで、着付ける人としっかりコミュニケーションをとって知っておかなければいけないのだとよくよく納得したお話でした。

 

茶席の場合も裾は少しだけ短めです。

やはり足袋で動きますし正座から立ち上がる時に裾が長すぎると踏んでしまいやすいためです。

 

 

以上、「美しい着付けを目指す(その1)裾」でした。

ここまで書いてみて思ったことは、なぜそう着付けるのかという「理由」や「理論」の認識が覚束ない部分が多く、言い切る自信がないために座りの悪い文章になってしまいがちだなーということです。

裾に関することだけでも、自分の認識が実際合っているのかを所々調べながら書き進んでいる感じなので時間もかかります。

 

着物に関して知っている事はまだまだ少ないし考察も足りていないという事を痛感しました。

 

襟合わせの角度、半衿の出具合や見せ方、着物の衿幅、脇の布の処理、おはしょりの長さ、上前の幅、裾の長さ、帯の高さ…など、シーンに合わせその人の雰囲気や体型に合わせ、良くも悪くも如何様にも調整できる部分がまだ幾つかあります。

 

それもこちら側の自己満足ではダメで、あくまで着る人の満足に繋がらないといけない。

 

大変なことに足を踏み入れてしまったなとしみじみ考えてしまいます…。

 

まずは無知の知。ということで、より美しい他装を目指してこれから一つづつ研究して行きたいと思います。